過度のアルコール摂取と健康について
不適切な飲酒は、高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、痛風などの生活習慣病のリスクを高めます。
また臓器障害も肝臓だけではなく、脳・歯・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・すい臓・心臓・血管・骨と全身に影響があります。
不適切な飲酒による体への影響
出典:日本医事新報 4050号(2001年)から引用
➀肝臓でアルコールが代謝される際に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝や肝硬変などの肝臓障害が引き起こされます。
➁尿病やすい炎などのすい臓の障害のほか、消化管、循環器系、脳、末梢神経障害など、全身の臓器におよび障害が現れます。
➂さらに、「アルコール依存症の症状」をきたすこともあります。
アルコールが体内に入って肝臓などで分解される際に発生する悪酔いの原因となる物質アセトアルデヒド。
これを素早く分解する酵素ALDH2を、日本人の半数近くの人が持たないか、その働きが弱いのです。
人種 |
ALDH2欠損率 |
日本人 |
44% |
韓国人 |
28% |
ドイツ人 |
0% |
〇適正飲酒量と不適切な飲酒量
1日当たり純アルコール量20g程度の飲酒
(例、ビール(5%):約 500ml、泡盛(30%):0.5 合(90ml)、日本酒(15%):1合(180ml)
ワイン(12%):グラス2杯弱(240ml))
1日あたり純アルコール量 40g 以上の飲酒
多量飲酒とは、適正飲酒量の3倍にあたる純アルコール量60g以上の飲酒
アルコールの化学式と分解
日本では、アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」といいます。
アルコールにはエタノール、メタノール、プロパノールなどがありますが、一般的にお酒として飲まれるのはエタノールです。
エタノールは体内に入ると、酵素の働きにより、最終的に水と二酸化炭素に分解されて、汗や尿、呼気から排出されます。
エタノール → (体内で分解) → 水 (汗・尿として排出) + 二酸化炭素 (呼気として排出)
アルコール血中濃度と酔いの状態
血中アルコール濃度 |
酔いの程度 |
酔いの状態 |
0.02%~0.04% |
爽快期 |
・さわやかな気分になる ・皮膚が赤くなる ・陽気になる ・判断力が少しにぶる |
0.05%~0.10% ・日本酒(1-2合) ・ビール中びん(1-2本) |
ほろ酔い期 |
・ほろ酔い気分になる ・手の動きが活発になる ・抑制がとれる(理性が失われる) ・体温が上がる ・脈が速くなる |
0.11%~0.15% ・日本酒(3合) ・ビール中びん(3本) |
酩酊初期 |
・気が大きくなる ・大声でがなりたてる ・おこりっぽくなる ・立てばふらつく |
0.16%~0.30% ・日本酒(4-6合) ・ビール中びん(4-6本) |
酩酊期 |
・千鳥足になる ・何度も同じことをしゃべる ・呼吸が速くなる ・吐き気、おう吐がおこる |
0.31%~0.40% ・日本酒(7-1升) ・ビール中びん(7-10本) |
泥酔期 |
・まともに立てない ・意識がはっきりしない ・言語がめちゃめちゃになる |
0.41%~ ・日本酒(1升<) ・ビール中びん(10本<) |
昏睡期 |
・ゆり動かしても起きない ・大小便はたれ流しになる ・呼吸はゆっくりと深い ・死亡 |
アルコール血中濃度の計算式
あなたの体重と飲酒量によって、血液中のアルコール濃度の推定値を計算する簡単な数式があります。
(飲酒量とアルコール血中濃度の計算式)
血液中のアルコール濃度={飲酒量(mL)×とアルコール度数}/{833 × あなたの体重}
お酒はその種類によって含まれるアルコール濃度が異なります。
飲酒した量とアルコール度数を基に摂取したアルコール量に換算すると、飲酒量のコントロールに役立ちます。
個人差もありますが、血液中のアルコール濃度0.1%以下程度が「爽快期~ほろ酔い」の目安(適量)です。
1 談笑し、楽しく飲むのが 基本です
2 食べながら 適量範囲でゆっくりと
3 強い酒 薄めて飲むのが オススメです
4 つくろうよ 週に二日は休肝日
5 やめようよ きりなく長い飲み続け
6 許さない 他人への無理強い イッキ飲み
7 アルコール 薬と一緒は危険です
8 飲まないで 妊娠中と授乳期は
9 飲酒後の運動・入浴 要注意
10 肝臓など 定期検査を忘れずに
【(公社)アルコール健康医学協会】
➀肝臓でアルコールが代謝される際に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝や肝硬変などの肝臓障害が引き起こされます。
➁尿病やすい炎などのすい臓の障害のほか、消化管、循環器系、脳、末梢神経障害など、全身の臓器におよび障害が現れます。
➂さらに、「アルコール依存症の症状」をきたすこともあります。
新型コロナウイルス情報、弊社からのお知らせ、最新トピックス、採用等の情報をスマホで確認いただけます。
またAI機能を用いた検査項目検索など様々な機能があります。弊社検査案内の代わりにご利用いただけます。
-
PDFはこちら → “日本臨床LINE”
追加登録はこちら ↓