新型コロナウイルス変異株とは
- <主な機関での変異株解析の流れ>
- 〇 陽性(変異あり) × 陰性(変異なし)
- [実施日] 2021年 5月 8日(土)ご依頼分より変更
- [変異株スクリーニング検査追加対象項目]
〇変異株スクリーニング検査受託開始について → 変異株検査
〇安全なワクチン接種の為に → ワクチンとは
〇PCR検査ご提出方法等について → ご提出方法
〇日本からの各国・地域の入国制限措置等について → *PCR検査方法等、入国条件について
変異の起こる仕組み
〇ウイルスの特徴〇 |
<変異の過程>
新型コロナにおける変異株
• 「N501Yの変異がある変異株」は、従来株よりも感染しやすい可能性がある。
• 英国や南アフリカで確認された変異株については、重症化しやすい可能性も指摘されている。
• 「E484Kの変異がある変異株」は、従来株よりも、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性※1可能性も指摘されている。
• インド由来とされ、英国株に続く「脅威」となると専門家が危ぶんでいる。
特にアジア系人種について免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されている。
• インドの感染、1日34万人インドの感染、1日34万人。
• 世界保健機関(WHO)は4月下旬、インド株を「VOI(注目すべき変異株)」に指定した。
L452R | E484Q | |
感染力 | 感染力が強い | 不明 |
免疫への影響 | 免疫力を低下させる | 不明 |
N501Y・E484Kってなに
「N501Y」の変異があるのはイギリス型と呼ばれるもので、特に関西で広がっています。一方、「E484K」のみの変異があるのはどこからきたタイプかはわかっていませんが、東京の陽性者のうち、およそ半数を占めています。
この数字とアルファベットが何なのかといいますとウイルスには人の細胞にくっつく重要な「突起」があるんですが、タンパク質の「501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わった」ということを示しています。変異そのものは頻繁に起こっているといいます。
アミノ酸略号
和名 |
英名 |
略号 | 和名 | 英名 | 略号 | |||||||
アラニン | Alanine | Ala | A | ロイシン | Leucine | Leu | L | |||||
アルギニン(B) |
Arginine | Arg | R | リシン(B) | Lysine | Lys | K | |||||
アスパラギン | Asparagine | Asn | N |
メチオニン |
Methionine | Met | M | |||||
アスパラギン酸(A) | Aspartic Acid | Asp | D | フェニルアラニン | Phenylalanine | Phe | F | |||||
システイン | Cysteine | Cys | C | プロリン | Proline | Pro | P | |||||
グルタミン | Glutamine | Gln | Q | セリン | Serine | Ser | S | |||||
グルタミン酸(A) |
Glutamic Acid |
Glu | E | トレオニン | Threonine | Thr | T | |||||
グリシン | Glycine | Gly | G | トリプトファン | Tryptophan | Trp | W | |||||
ヒスチジン(B) | Histidine | His |
H |
チロシン | Tyrosine | Tyr | Y | |||||
イソロイシン | Isoleucine | Ile | I | バリン | Valine | Val | V | |||||
注:表中(A):酸性アミノ酸、(B):塩基性アミノ酸 |
<その他変異>
- del 69-70とは -
変異するとどうなる
<変異の種類と特徴>
<変異すると>
・インド型変異株ウイルスともいわれる
・原因は白血球の血液型であるHLA(ヒト白血球抗原)
白血球とは
<HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)とは>
HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は1954年、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってこう呼ばれてきました。しかし、発見から半世紀以上を経て、HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになりました。
日本国内におけるA, B, DRの頻度は下記のようになっています。日本人の6割がHLA-A24を持っています。
A | B | DR | HF | LD |
A24 | B52 | DR15 | 8.2% | 7.5 |
A33 | B44 | DR13 | 5.2% | 5.1 |
A24 | B7 | DR1 | 3.6% | 3.5 |
A24 | B54 | DR4 | 2.3% | 1.8 |
A2 | B46 | DR8 | 2.2% | 2.1 |
A24 B52 DR15 8.2% 7.5
A33 B44 DR13 5.2% 5.1
A24 B7 DR1 3.6% 3.5
A24 B54 DR4 2.3% 1.8
A2 B46 DR8 2.2% 2.1
A11 B62 DR4 1.6% 1.4
A26 B61 DR9 1.2% 1.1
A2 B61 DR9 1.2% 0.8
A2 B35 DR4 1.2% 0.8
A24 B61 DR9 1.2% 0.7
A24 B35 DR4 1.1% 0.4
A24 B51 DR4 1.0% 0.3
A2 B13 DR12 0.9% 0.9
A24 B59 DR4 0.9% 0.8
A31 B51 DR8 0.8% 0.7
A26 B62 DR9 0.8% 0.7
A26 B35 DR15 0.8% 0.7
A11 B54 DR4 0.8% 0.7
A2 B46 DR9 0.8% 0.6
A24 B62 DR4 0.8% 0.1
A11 B67 DR15 0.7% 0.7
A2 B59 DR4 0.7% 0.6
A2 B39 DR15 0.7% 0.6
A11 B39 DR8 0.7% 0.6
A26 B62 DR15 0.7% 0.5
A2 B60 DR4 0.7% 0.4
A33 B44 DR8 0.6% 0.5
A24 B55 DR4 0.6% 0.3
A24 B54 DR8 0.6% 0.3
A2 B39 DR4 0.6% 0.3
A24 B60 DR4 0.6% 0.1
A2 B61 DR4 0.6% 0.0
A24 B52 DR8 0.5% -0.1
A31 B51 DR12 0.5% 0.5
A31 B60 DR8 0.5% 0.4
A24 B70 DR4 0.5% 0.4
A2 B7 DR1 0.5% 0.4
A26 B35 DR4 0.5% 0.3
A24 B60 DR9 0.5% 0.3
A2 B48 DR15 0.5% 0.3
A11 B35 DR4 0.5% 0.3
A26 B52 DR15 0.5% 0.2
A24 B61 DR12 0.5% 0.2
A24 B46 DR8 0.5% 0.2
A2 B62 DR15 0.5% 0.2
A2 B54 DR4 0.5% 0.2
A24 B51 DR8 0.5% 0.1
A24 B51 DR9 0.5% 0.1
A2 B61 DR8 0.5% 0.1
A24 B61 DR15 0.4% -0.2
A33 B58 DR13 0.4% 0.4
A B48 DR4 0.4% 0.4
A2 B75 DR9 0.4% 0.4
A1 B37 DR10 0.4% 0.4
A31 B51 DR9 0.4% 0.3
A24 B51 DR11 0.4% 0.3
A24 B51 DR25 0.4% 0.3
A24 B35 DR11 0.4% 0.3
A2 B61 DR14 0.4% 0.3
A2 B51 DR12 0.4% 0.3
A31 B51 DR4 0.4% 0.2
A26 B61 DR8 0.4% 0.2
A24 B61 DR14 0.4% 0.2
A24 B35 DR14 0.4% 0.2
A2 B54 DR8 0.4% 0.2
A2 B44 DR13 0.4% 0.2
A24 B60 DR15 0.4% 0.1
A2 B35 DR15 0.4% 0.1
A24 B35 DR15 0.3% -0.2
A24 B7 DR4 0.3% -0.1
A24 B35 DR9 0.3% -0.1
A2 B52 DR15 0.3% -0.1
A31 B51 DR25 0.3% 0.3
A26 B35 DR14 0.3% 0.3
A24 B61 DR15 0.3% 0.3
A11 B67 DR16 0.3% 0.3
A11 B55 DR14 0.3% 0.3
A31 B61 DR8 0.3% 0.2
A31 B56 DR9 0.3% 0.2
A26 B62 DR8 0.3% 0.2
A26 B60 DR12 0.3% 0.2
A26 B48 DR4 0.3% 0.2
A24 B51 DR9 0.3% 0.2
A24 B67 DR4 0.3% 0.2
A2 B60 DR9 0.3% 0.2
A11 B48 DR9 0.3% 0.2
A11 B35 DR8 0.3% 0.2
A26 B62 DR4 0.3% 0.1
A26 B61 DR4 0.3% 0.0
A2 B62 DR9 0.3% 0.0
A2 B51 DR8 0.3% 0.0
A2 B51 DR9 0.3% 0.0
A2 B35 DR8 0.3% 0.0
A3 B44 DR13 0.2% 0.2
A26 B62 DR14 0.2% 0.2
A2 B46 DR12 0.2% 0.2
A31 B61 DR9 0.2% 0.1
A31 B61 DR4 0.2% 0.1
A2 B70 DR4 0.2% 0.1
A2 B55 DR4 0.2% 0.1
A2 B48 DR4 0.2% 0.1
A2 B39 DR9 0.2% 0.1
A2 B35 DR9 0.2% 0.0
“白血球の型”
HLA-A24
日本人の6割が保有
<L452R変異による影響>
・オミクロン株は南アフリカが2021年11月24日に初めて世界保健機関(WHO)に報告した新型コロナウイルスの変異株。WHOはアルファ株(英国)ベータ株(南アフリカ)ガンマ株(ブラジル)デルタ株(インド)に続く5番目の「懸念される変異株(VOC)」に指定した。
新しい変異株の分類と呼称
WHOラベル
|
α
alpha
アルファ |
β
beta
ベータ |
γ
gamma
ガンマ |
δ
delta
デルタ |
ε
epsilon
イプシロン |
ζ
dzeta
ゼータ |
η
eta
イータ |
θ
theta
シータ |
ι
iota
イオタ |
κ
kappa
カッパ |
λ
lambda
ラムダ |
μ
my
ミュー |
発見年月 |
2020.09
イギリス |
2020.05
南アフリカ |
2020.11
ブラジル |
2020.10
インド |
2020.05
アメリカ |
2020.11
イギリス |
2020.12
複数国 |
2021.02
フィリピン |
2020.11
アメリカ |
2020.10
インド |
2020.12
ペルー |
2021.01
コロンビア |
重要性に |
VOC |
VOC |
VOC |
VOC |
|
|
VUM |
|
VUM |
VUM |
VOI |
VOI |
WHOラベル
|
ν ny |
ξ |
ο |
π |
ρ |
σ |
τ |
υ |
φ |
χ |
ψ |
ω |
発見年月 |
使用されず |
2021.11 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
重要性に |
|
|
VOC |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
VOC:懸念される変異株(Variant of Concern) |
分類(WHO)
|
|
WHOの呼称
|
Pango系統
|
GISAID
クレード |
Nextstrain
クレード |
アルファ
(α) |
B.1.1.7
|
GRY
(旧 GR/501Y.V1) |
20I(V1)
|
||
VOC※1
|
ベータ
(β) |
B.1.351
B.1.351.1 ~ B.1.351.5 |
GH/501Y.V2
|
20H(V2)
|
|
ガンマ
(γ) |
P.1
P.1.1 ~ P.1.17 |
GR/501Y.V3
|
20J(V3)
|
||
デルタ
(δ) |
B.1.617.2
AY.1 ~ AY.125 |
G/478K.V1
|
21A・S:478
|
||
オミクロン
(ο) |
B.1.1.529
|
GR/484A
|
21K
|
||
VOI※2
|
ラムダ
(λ) |
C.37
|
GR/452Q.V1
|
21G
|
|
ミュー
(μ) |
B1.621 | GH | 21H | ||
VUM※3
|
イオタ
(ι) |
B.1.526
|
GH/253G.V1
|
21F
|
|
カッパ
(κ) |
B.1.617.1
|
G/452R.V3
|
21B
|
||
イータ
(η) |
B.1.525
|
G/484K.V3
|
21D
|
||
formerly
monitored variants ※4 |
イプシロン
(ε) |
B.1.427
B.1.429 |
GH/452R.V1
|
21C
|
|
ゼータ
(ζ) |
P.2
|
GR/484K.V2
|
20B/S:484K
|
||
シータ
(θ) |
P.3
|
GR/1092K.V1
|
21E
|
||
※1:懸念される変異株(VOC; Variant of Concern) |
変異株解析の流れ
WHO呼称 | PANGO lineage | 参考情報 | |
分類* | L452R | ||
ベータ | B.1.351 | VOC | – |
ガンマ | P.1 | – | |
デルタ | B.1.617.2 | 〇 | |
オミクロン | B.1.1.529 | – | |
アルファ | B.1.1.7 | VUM | – |
カッパ | B.1.617.1 | 〇 | |
ラムダ | C.37 | – | |
ミュー | B.1.621 | – |
変異ターゲット | 英国型 | 南アフリカ型 | ブラジル型 | 日本型 |
E484K | × | ○ | ○ | ○ |
N501Y | ○ | ○ | ○ | × |
del69‐70 | ○ | × | × | × |
弊社、変異株への対応について
新型コロナウイルス感染拡大は衰えることはなく、変異株による感染も世界的に増加してます。弊社では、新型コロナウイルス関連検査の需要の急速な増加に応えるべく、段階的に検査受託体制の強化および検査設備の拡充を図ってまいりました。
弊社では、PCR検査を行い陽性となったものについて厚生労働省および国立感染症研究所からの依頼に基づき、変異株のスクリーニング検査を行政検査として実施してまいりましたが、結果についてはご施設様に直接お返しはしていませんでした。このたび、昨今の感染状況や医療提供体制状況に鑑み、検査させていただきました結果について各ご施設様にご報告させていただく事となりましたのでご案内申し上げます。
■実施内容及び実施日
コード |
検査項目 |
保存方法 |
所要日数 |
検査方法 |
基準値 |
4266 |
SARS-CoV-2 N501Y検査※1 |
冷蔵 |
2~3 |
PCR |
野生型 |
※1 本検査は、弊社にて下記対象検査項目をご依頼いただき、検査結果が陽性と確定したものを対象
としています。追加対象項目の結果が陽性と確定した時点で、変異株に共通で認められるN501Y
変異についてのスクリーニング検査を実施させていただきます。行政検査として実施いたします
ので追加料金等は発生いたしません。
コード |
検査項目 |
採取量(mL) |
容器※2 |
保存 |
所要 |
実施料 |
検査方法 |
基準値 |
0987 |
新型コロナウイルスRNA定性 |
鼻咽頭・鼻腔 |
P1 |
冷蔵 |
2※3 |
1800 |
PCR |
陰性 |
喀痰 2.0 |
P1又はL1 |
※2 本検査はPCRメディア等、グアニジンを含むウイルス不活化剤入り容器では、検査結果に影響
を与える(偽陰性となる)ため受託できません。上記指定容器(P1、L1)にてご提出ください。
※3 FAXでのご報告は、再検査を含め、翌朝、変異株スクリーニング検査の結果は翌夕となりますが、
検査キャパシティを大幅に超える受託があった場合、上記報告日数より遅延する可能性があります。
地図中のアイコンをクリックすると住所と電話番号が表示されます。
日々、医療業務に携わる先生方のために、日本臨床が検査を
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- <主な機関での変異株解析の流れ>
- 〇陽性(変異あり) × 陰性(変異なし)
〇新規受託 → 変異株スクリーニング検査
〇安全なワクチン接種の為に → ワクチンとは
〇PCR検査ご提出方法等 → ご提出方法
〇各国・地域の入国制限措置等
→ *PCR検査方法等、入国条件
変異の起こる仕組み
〇ウイルスの特徴〇
ウイルスは、蛋白質の外殻、内部に遺伝子(DNA、RNA)を持っただけの単純な構造の微生物です。細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。たとえ栄養と水があったとしても、ウイルス単独では生存できません。自分自身で増殖する能力が無く、生きた細胞の中でしか増殖できませんので、他の生物を利用して自己を複製することでのみ増殖します。その過程で「変異」を繰り返し、より環境に適応しやすいよう姿を変えていきます。
<変異の過程>
➀まず、ウイルス表面にある、とげ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面で受け手となる受容体たんぱく質(アンジオテンシン変換酵素2=ACE2)に結合して細胞内へ侵入する。
➁細胞内では、RNAの情報に従って、ウイルスの素材となるたんぱく質を翻訳(合成)する。一方、RNAは大量に複製され、たんぱく質とともに組み立て・成熟が進んで「子孫ウイルス」ができ、それらが細胞外へ放出されていく。
➂この過程で、RNA複製の際に一定の確率でミスが生じ、RNAを構成する塩基の配列が変わることがある。この現象が「変異」と呼ばれる。
新型コロナにおける変異株
国が監視を続ける主な変異株は英国、南アフリカ、ブラジルで報告されている三種類だ。厚生労働省の集計では十六日時点で、これら三カ国由来の国内感染例は三百九十九人。うち三百七十四人が英国由来だ。前回発表の九日時点から五道県が増え、感染は二十六都道府県に広がった。
1. N501Yの変異株
• 「N501Yの変異がある変異株」は、従来株よりも感染しやすい可能性がある。
• 英国で確認された変異株(VOC-202012/01)、南アフリカで確認された変異株(501Y.V2)、ブラジルで確認された変異株(501Y.V31)、フィリピンで確認された変異株がこの変異を有している。
• 英国や南アフリカで確認された変異株については、重症化しやすい可能性も指摘されている。
• 4/6時点、国内事例886例、空港検疫152例の計1038例が確認されている。
2. E484Kの変異株
• 「E484Kの変異がある変異株」は、従来株よりも、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性※1可能性も指摘されている。
• 南アフリカで確認された変異株(501Y.V2)、ブラジルで確認された変異株(501Y.V3)、フィリピンで確認された変異株がこの変異を有している。
※1 この変異のみでワクチンが無効化されるものではなく、ファイザー社のワクチンの場合は、承認審査において、モデルウイルスを用いた非臨床試験を通じ、種々の変異株にも一定の有効性が期待できるが、今後も変異を注視し、引き続き検討が必要とされている。
※ 上記のほかに、我が国では「N501Yの変異はないがE484Kの変異がある変異株」を計1,553例(国内1,548件、検疫5件)確認されている(2021/4/6時点)
3. L452RとE484Qの変異がある変異株
・インド由来とされ、英国株に続く「脅威」となると専門家が危ぶんでいる。
特にアジア系人種について免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されている。
・インドの感染、1日34万人インドの感染、1日34万人。
・世界保健機関(WHO)は4月下旬、インド株を「VOI(注目すべき変異株)」に指定した。
L452R |
E484Q |
|
感染力 |
感染力が強い |
不明 |
免疫への影響 |
免疫力を低下 |
不明 |
4. その他、世界で確認されている変異株
delH69V70、N501Y、E484K、K417N、K417T、N439K、D614G、A222V、Y453F、P681H、Q27stop、delY144、A570D、T716I、S982A、A1708D、A701V、L242_244L、D80A、L18F、R246I、D215G
N501Y・E484Kってなに
最近、よく聞くけどN501Y・E484Kってなに??
「まん延防止」が適用された大阪。4月5日に発表されたスクリーニング検査の結果、新たに270人が変異ウイルス陽性だったことがわかりました。その変異ウイルス、日本では気になる2つの変異の種類があるんです。
「N501Y」の変異があるのはイギリス型と呼ばれるもので、特に関西で広がっています。一方、「E484K」のみの変異があるのはどこからきたタイプかはわかっていませんが、東京の陽性者のうち、およそ半数を占めています。
この数字とアルファベットが何なのかといいますとウイルスには人の細胞にくっつく重要な「突起」があるんですが、タンパク質の「501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わった」ということを示しています。変異そのものは頻繁に起こっているといいます。
アミノ酸略号
注:(A):酸性アミノ酸、(B):塩基性アミノ酸
<その他変異>
3. del 69-70の変異株
➀VOC-202012/01の変異の一つ、S遺伝子deletion 69-70により、S遺伝子を検出するPCRによっては、結果が偽陰性となるspike gene target failure(SGTF)を認めている
➁英国の3カ所の検査施設において、SGTFを認める検体が急増するとともに、10月12日の週にはSGTFを認める変異株のうちB.1.1.7に属するものが5%であったが、11月30日にはこの頻度が96%と急増していた
変異するとどうなる
<変異すると>
<変異の種類と特徴>
➀関西で多い「N501Y」は、従来よりも感染力が強いとされています。一方、東京で多い「E484K」は、感染力は従来と変わらないとされています。東京よりも大阪の感染者が多いのはこのことも影響しているのかもしれません。
➁「イギリス型」「南アフリカ型」「ブラジル型」と呼ばれているウイルスなどはこの「N501Y」の変異が見られ、「イギリス型」に限れば致死率は従来のおよそ1.6倍という報告もあります。一方、「南アフリカ型」「ブラジル型」などには「E484K」の変異もあります。この変異の注目すべき特性は「免疫やワクチンの効果を低下させる可能性」が指摘されている点です。
➂「変異によってワクチンの効果を弱めるものも出てくる可能性がある。『E484K』がそれであるという確証はないが短期間で感染を押さえ込むことが重要だ」
・インド型変異株ウイルスともいわれる
・日本人の6割が新型コロナウイルスに対する免疫反応・ワクチン効果が弱くなる
・原因は白血球の血液型であるHLA(ヒト白血球抗原)
白血球とは
・白血球とは血液の工場である骨髄中で作られる血液細胞です。
・ばい菌、ウイルス、カビなどから身を守るためにはたらきます。
・ひとくちに白血球と言っても白血球の中にはいろいろな種類があり、それぞれ役割が異なります。(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)
・白血球にも血液型があります。(HLA;ヒト白血球抗原)
<HLAとは>
HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は1954年、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってこう呼ばれてきました。しかし、発見から半世紀以上を経て、HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになりました。
日本国内におけるA, B, DRの頻度は下記のようになっています。日本人の6割がHLA-A24を持っています。
A |
B |
DR |
HF |
LD |
A24 |
B52 |
DR15 |
8.2% |
7.5 |
A33 |
B44 |
DR13 |
5.2% |
5.1 |
A24 |
B7 |
DR1 |
3.6% |
3.5 |
A24 |
B54 |
DR4 |
2.3% |
1.8 |
A2 |
B46 |
DR8 |
2.2% |
2.1 |
A B DR HF(%) LD
A24 B52 DR15 8.2% 7.5
A33 B44 DR13 5.2% 5.1
A24 B7 DR1 3.6% 3.5
A24 B54 DR4 2.3% 1.8
A2 B46 DR8 2.2% 2.1
A11 B62 DR4 1.6% 1.4
A26 B61 DR9 1.2% 1.1
A2 B61 DR9 1.2% 0.8
A2 B35 DR4 1.2% 0.8
A24 B61 DR9 1.2% 0.7
A24 B35 DR4 1.1% 0.4
A24 B51 DR4 1.0% 0.3
A2 B13 DR12 0.9% 0.9
A24 B59 DR4 0.9% 0.8
A31 B51 DR8 0.8% 0.7
A26 B62 DR9 0.8% 0.7
A26 B35 DR15 0.8% 0.7
A11 B54 DR4 0.8% 0.7
A2 B46 DR9 0.8% 0.6
A24 B62 DR4 0.8% 0.1
A11 B67 DR15 0.7% 0.7
A2 B59 DR4 0.7% 0.6
A2 B39 DR15 0.7% 0.6
A11 B39 DR8 0.7% 0.6
A26 B62 DR15 0.7% 0.5
A2 B60 DR4 0.7% 0.4
A33 B44 DR8 0.6% 0.5
A24 B55 DR4 0.6% 0.3
A24 B54 DR8 0.6% 0.3
A2 B39 DR4 0.6% 0.3
A24 B60 DR4 0.6% 0.1
A2 B61 DR4 0.6% 0.0
A24 B52 DR8 0.5% -0.1
A31 B51 DR12 0.5% 0.5
A31 B60 DR8 0.5% 0.4
A24 B70 DR4 0.5% 0.4
A2 B7 DR1 0.5% 0.4
A26 B35 DR4 0.5% 0.3
A24 B60 DR9 0.5% 0.3
A2 B48 R15 0.5% 0.3
A11 B35 DR4 0.5% 0.3
A26 B52 DR15 0.5% 0.2
A24 B61 DR12 0.5% 0.2
A24 B46 DR8 0.5% 0.2
A2 B62 DR15 0.5% 0.2
A2 B54 DR4 0.5% 0.2
A24 B51 DR8 0.5% 0.1
A24 B51 DR9 0.5% 0.1
A2 B61 DR8 0.5% 0.1
A24 B61 DR15 0.4% -0.2
A33 B58 DR13 0.4% 0.4
A B48 DR4 0.4% 0.4
A2 B75 DR9 0.4% 0.4
A1 B37 DR10 0.4% 0.4
A31 B51 DR9 0.4% 0.3
A24 B51 DR11 0.4% 0.3
A24 B51 DR25 0.4% 0.3
A24 B35 DR11 0.4% 0.3
A2 B61 DR14 0.4% 0.3
A2 B51 DR12 0.4% 0.3
A31 B51 DR4 0.4% 0.2
A26 B61 DR8 0.4% 0.2
A24 B61 DR14 0.4% 0.2
A24 B35 DR14 0.4% 0.2
A2 B54 DR8 0.4% 0.2
A2 B44 DR13 0.4% 0.2
A24 B60 DR15 0.4% 0.1
A2 B35 DR15 0.4% 0.1
A24 B35 DR15 0.3% -0.2
A24 B7 DR4 0.3% -0.1
A24 B35 DR9 0.3% -0.1
A2 B52 DR15 0.3% -0.1
A31 B51 DR25 0.3% 0.3
A26 B35 DR14 0.3% 0.3
A24 B61 DR4 0.3% 0.3
A11 B67 DR16 0.3% 0.3
A11 B55 DR15 0.3% 0.3
A31 B61 DR8 0.3% 0.2
A31 B56 DR9 0.3% 0.2
A26 B62 DR8 0.3% 0.2
A26 B60 DR12 0.3% 0.2
A26 B48 DR4 0.3% 0.2
A24 B61 DR9 0.3% 0.2
A24 B35 DR4 0.3% 0.2
A2 B60 DR9 0.3% 0.2
A11 B48 DR9 0.3% 0.2
A11 B35 DR8 0.3% 0.2
A26 B62 DR4 0.3% 0.1
A26 B61 DR4 0.3% 0.0
A2 B62 DR9 0.3% 0.0
A2 B51 DR8 0.3% 0.0
A2 B51 DR9 0.3% 0.0
A2 B35 DR8 0.3% 0.0
A3 B44 DR13 0.2% 0.2
A26 B62 DR14 0.2% 0.2
A2 B46 DR12 0.2% 0.2
A31 B61 DR9 0.2% 0.1
A31 B61 DR4 0.2% 0.1
A2 B70 DR4 0.2% 0.1
A2 B55 DR4 0.2% 0.1
A2 B48 DR4 0.2% 0.1
A2 B39 DR9 0.2% 0.1
A2 B35 DR9 0.2% 0.0
“白血球の型”
HLA-A24
日本人の6割が保有
<L452R変異による影響>
日本人の6割が新型コロナウイルスに対する免疫反応・ワクチン効果が弱くなる
オミクロン株は南アフリカが2021年11月24日に初めて世界保健機関(WHO)に報告した新型コロナウイルスの変異株。WHOはアルファ株(英国)ベータ株(南アフリカ)ガンマ株(ブラジル)デルタ株(インド)に続く5番目の「懸念される変異株(VOC)」に指定した。
新しい変異株の分類と呼称
WHOは懸念される変異株と注目すべき変異株について、最初に検出された国や地域が呼称の一部として用いられることによる偏見の懸念から、2021年5月31日にギリシャ文字を使用した新たな呼称を提唱した。
変異株解析の流れ
新型コロナウイルス感染症例についてL452R変異(デルタ株等で確認される変異であり、オミクロン株には変異が確認されていない)スクリーニング検査を実施し、「陰性」(現在の国内における感染の主流であるデルタ株ではない)の場合には、オミクロン株への感染を疑い対応します。
- 結果の解釈例 -
弊社、変異株への対応について
新型コロナ変異株スクリーニング
検査新規受託開始について
新型コロナウイルス感染拡大は衰えることはなく、変異株による感染も世界的に増加してます。弊社では、新型コロナウイルス関連検査の需要の急速な増加に応えるべく、段階的に検査受託体制の強化および検査設備の拡充を図ってまいりました。
弊社では、変異株のスクリーニング検査について厚生労働省および国立感染症研究所からの依頼に基づき、これまでも行政検査として受託してまいりましたが、昨今の感染状況や医療提供体制状況に鑑み、一般クリニック等を含め、広く変異株スクリーニング検査を受託させていただくこととなりましたのでご案内申し上げます。
■実施内容及び実施日
[実施日]2021年5月 8日(土)ご依頼分より変更
コード |
検査項目 |
保存方法 |
所要日数 |
検査方法 |
基準値 |
4266 |
SARS-CoV-2 |
冷蔵 |
2~3 |
PCR |
野生型 |
※1本検査は、弊社にて下記対象検査項目をご依頼いただき、検査結果が陽性と確定したものを対象としています。追加対象項目の結果が陽性と確定した時点で、変異株に共通で認められるN501Y変異についてのスクリーニング検査を実施させていただきます。行政検査として実施いたしますので追加料金等は発生いたしません。
[変異株スクリーニング検査追加対象項目]
コード |
検査項目 |
採取量(mL) |
容器※2 |
保存 |
所要 |
実施料 |
検査方法 |
基準値 |
0987 |
新型コロナウイルス |
鼻咽頭・鼻腔 |
P1 |
冷蔵 |
2※3 |
1800 |
PCR |
陰性 |
喀痰 2.0 |
P1又はL1 |
※2本検査はPCRメディア等、グアニジンを含むウイルス不活化剤入り容器では、検査結果に影響を与える(偽陰性となる)ため受託できません。上記指定容器(P1、L1)にてご提出ください。
※3FAXでのご報告は、再検査を含め、翌朝、変異株スクリーニング検査の結果は翌夕となりますが、検査キャパシティを大幅に超える受託があった場合、上記報告日数より遅延する可能性があります。
地図中のアイコンをクリックすると住所と電話番号が表示されます。
日々、医療業務に携わる先生方のために、
PDFはこちら → “日本臨床LINE”
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